极圏、砂漠、火山岛に无人岛、
5640尘の高山から5780尘の深海まで
2023年に行われた、ドイツのアルフレッド?ウェゲナー海洋研究所が主催する砕氷船による北极観测调査。
このプロジェクトに唯一の日本人として参加した川口先生に、约2か月にわたる北极海の海氷、海水の観测や最近の取组などについて话を闻きました。
海洋物理学
极圏
北极海の热の动きを计测し、海氷と海水の动态を理解する
川口悠介
KAWAGUCHI Yusuke
大気海洋研究所 助教


季节によって変化する海氷の动き
2023年8月から约2か月间、ドイツの砕氷船「ポーラーシュテルン号」に乗船し、北极海の海氷と海洋の现地调査を行いました。约50人の乗船者のうち日本人は私一人でした。私のミッションは海氷周りの热の动きを调べること。広大な北极海の海氷と海水の动きを理解するための调査でした。
観测を行ったのは北极海中央に位置するユーラシア海盆域。分厚い氷がある海域です。北极点を含む9か所に観测ステーションを设営し、それぞれの场所で数日间作业を行いました。途中で船のスクリューの一つが壊れてしまい、横移动ができなくなるというハプニングがありましたが、ヘリを使ったり、作业时间を制限したりすることで、无事データを収集することができました。
氷上では、海氷に穴を开け、そこから水温や流速センサーがついた観测机器を海中に下ろし、「涡相関法」という技术を使って水温、塩分、流速などを调べました。この手法を用いることで、水流の乱れ(乱流)によって生じる热の动きを详细に知ることができます。风が吹くと海氷が动き、それが伝达して海水も动く。この运动量のやりとりを计测できます。
今回の観测から明らかになったのは、海氷が融解する夏と海氷が成长する冬では、海氷から海水に伝达される运动量が异なるということです。夏は伝达される运动量が大きく减少し、冬は大幅に増大します。つまり夏は海氷が海水面を滑るように移动し、冬はザラザラした水面をゆっくり移动するようなイメージです。速报値ですが、夏と冬ではその伝达率が10倍以上も违う可能性が见えてきました。これは结构大きな违いです。温暖化によって氷が融ける时间が以前よりも长くなっていることを考えると、海氷の动きも高速化していると考えられます。


©Tim Kalvelage
高精度で安価な観测机器の开発
大学院时代から约20年にわたって北极海に関する研究をしてきました。现地でデータを採取し、北极海全域の気象情报などと合わせて分析するというスタイルで取り组んできました。现地に行ったのは10回くらい。北极点に张ったテントの中であまりの寒さに眠れぬ夜を过ごしたこともありました。
北极海の海氷は减少していて、温暖化が进むことで夏にはゼロになるという予测もあります。しかし2000年代に観测されたような激しい减少率は近年见られておらず、下げ止まりの状态が続いています。それを理解するために、海水を含めた海氷まわりの「热収支」という热エネルギーの出入りに注目してきました。2023年の调査もその一つです。
最近は観测装置の开発にも取り组んでいます。私の研究では、海中データをいかに高精度に自动で取得するかということが非常に重要です。ただ高精度の装置は数千万円するなど非常に高额です。それを安く作りたい。今开発中のものは1个150万円で作っています。将来的にはアラスカ冲やカナダ多岛海などで活动している海外の共同研究者の协力も得ながら、自动で北极海全域を网罗するデータが取れるような観测网を作りたいと考えています。


©Manuel Ernst