キャンパス散歩/広嶋卓也所长の生态水文学研究所案内|広报誌「淡青」34号より

キャンパス散歩
森林?水?人间の相互作用を研究?教育する 生态 水文学 研究所
広嶋卓也
农学生命科学研究科附属演习林
生態水文学研究所 所長

农学生命科学研究科附属演习林
生態水文学研究所 所長
生态水文学研究所は、大学院农学生命科学研究科の附属演习林に属する地方演习林のひとつで、森林?水?人间の相互作用に関する基础?応用研究と大学生?大学院生の教育を目的として、2011年に爱知演习林を改称し発足しました。
生态水文学研究所は、古くから日本の陶器生产の中心地であった爱知県尾张东部丘陵に位置しています。この地域では、多くの森林が製陶用の薪を得るために根株まで伐採されて、无立木地や无植生地、いわゆるハゲ山となりました。さらに地质が、风化した花岗岩や砂砾层であることも相まって、ハゲ山に由来する河川への土砂流出や下流域の水害も増えたことから、爱知県はハゲ山の復旧工事の设计を当时の东京帝国大学に依頼しました。そうした背景のもと1922年に东京帝国大学はこの地域の约1,300ヘクタールの御料林(现在の国有林)を取得し、农学部附属爱知県演习林と名付けました。当初の演习林の设置目的は、ハゲ山を森林に再生し、同时にその过程を长期にわたり観测し、科学的なデータを残すこととされ、その精神は生态水文学研究所へと受け継がれ、创设以来94年が経过するに至りました。
现在、生态水文学研究所は主に、爱知県瀬戸市に位置する五位塚事务所?研究室(1ヘクタール)、赤津研究林(745ヘクタール)、穴の宫试験地(77ヘクタール)および犬山市に位置する犬山研究林(443ヘクタール)より构成されています。
五位塚事务所?研究室(写真1)は瀬戸市の中心部に位置するメインオフィスで、住宅街に隣接する小高い丘の上にありますが、住宅地に近いがゆえ、敷地内の树木の管理(倒木や病虫害等)にはとても気を遣います。
![]() (写真1)五位塚事务所 |
![]() (写真2)赤津宿泊施设 |
![]() (写真3)白坂気象観测露场 |
赤津研究林は名鉄瀬戸线尾张瀬戸駅から车で10分ほどでアクセスできる都市近郊林です。赤津宿泊施设(写真2)は最大30名が宿泊可能で、讲义室も备えた、生态水文学研究所の宿泊?利用拠点です。赤津宿泊施设の前には白坂気象観测露场(写真3)があり、1929年より降水量、気温、地温、湿度、风速等の観测を続けています。さらに露场の南隣には白坂量水堰(写真4)があり、ここでも1929年の设置以来、継続的に流出水量が観测されています。この量水堰は、标高690メートルの猿投山北麓に広がる89ヘクタールの集水域から流出する川の水量を観测しており、先の気象データと合わせて、降水、流出、损失(蒸発散量や地下への流出量)水量の长期データを得ています。赤津研究林の天然林には、树木相の迁り変わりを调べる长期生态系プロット(写真5)が设置され、10メートル四方に区切られた多数のプロット内で、树木の个体识别、干直径の测定、落下种子の採取等が定期的に行われています。现在の赤津研究林は全域的に森林で覆われていますが、かつてのハゲ山の名残(写真6)が见られる场所もあります。また室町时代に山中で使用されていた陶器窑跡(写真7)も残されており、国の史跡に指定されています。
![]() (写真4)白坂量水堰 |
![]() (写真5)白坂长期生态系プロット |
![]() (写真6)风化した花岗岩が露出した尾根 |
五位塚事務所から車で10分ほどでアクセスできる穴の宮試験地には生態水文学研究所で最も古い量水堰(写真8)があり、こちらでは1925年より流出水量が観測されています。犬山研究林は五位塚事務所から車で約1時間でアクセスできる都市近郊林です。犬山研究林では、ハゲ山からの森林再生のために、昭和初期から様々な砂防工事と緑化工事が行われてきました。 砂防工事の代表的なものとして、土堰堤(どえんてい)(写真9)があります。
![]() (写真7)小长曽陶器窑跡 |
![]() (写真8)穴の宫量水堰 |
![]() (写真9)土堰堤(放水路がコンクリート製) |
写真のコンクリート放水路付き土堰堤は、东京帝国大学の诸戸北郎博士の设计により1929年顷に作られた歴史的価値の高いものです。より近代的なものでは1978年に爱知県が治山工事で设置したコンクリート堰堤(写真10)や鉄钢自在枠堰堤(写真11)などもあります。
![]() (写真10)コンクリート堰堤 |
![]() (写真11)鉄钢自在枠堰堤 |
![]() (写真12)玉石空积みによる谷止工 |
他にも、谷筋の流水や土砂を安定させる「谷止工(たにどめこう)」(写真12)、川岸や川底を安定させる「流路工」(写真13)、「床固工(とこがためこう)」(写真14)といった砂防工事跡が犬山研究林の随所に见られます。また明瞭でありませんが、山腹斜面には「法切工(のりきりこう)」、「筋工(すじこう)」といった当时の緑化工事の跡も见られます。现在の犬山研究林では、赤津研究林と同様に森林が再生され、たとえば植生の违いが水の流れにおよぼす影响を研究するライシメータ(写真15)と呼ばれる実験施设を使うなど、生态水文学に関する様々な研究が行われています。
![]() (写真13)流路工跡 |
![]() (写真14)鉄线蛇笼による床固工 |
![]() (写真15)ライシメータ |
(注)※生态水文学研究所の研究林内に见学で立ち入ったり、施设を利用したりするには、事前に保険に加入された上で、所定の书类を提出し许可を得ていただく必要があります。
※本记事は広报誌「淡青」34号の记事から抜粋して掲载しています。笔顿贵版はをご覧ください。
