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サイエンスへの招待/仓桥みどりの応用微细藻类学|広报誌「淡青」34号より

掲载日:2017年7月20日

サイエンスの招待
微细藻类を轴に持続可能社会を目指す「バイオマス?ショア」构想

微生物と植物の特徴を両方持っているのが、微细藻类という生物です。この微细藻类の潜在能力に着目し、二酸化炭素を削减しながら产业活动を行う持続可能社会に活用する构想を练っているのが、仓桥先生。なかでも特にデュナリエラという种にこだわり、沙漠、海洋深层水、地热を组み合わせて培养したグランドデザインをお见知りおきください。
仓桥みどり 書影 仓桥みどり /文
农学生命科学研究科特任准教授


倉橋先生の著書(共著)『応用微細藻類学-食料からエネルギーまで』(成山堂書店/2013年2月刊 3000円+税)
 

 温暖化問題について、IPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)では「即刻手を打たないと人間社会や生態系に、厳しく、取り戻すことができない悪影響が及ぶ」と指摘しています。にもかかわらず、私たちはこれといった手立てを講じることができていません。大脳を発達させたはずのホモ?サピエンス種ですが、このあたりが限界でしょうか? ホモ?サピエンスの端くれとして「バイオマス?ショア」と名付けたグランドデザインを考案しましたので紹介させていただきます。

 

 大気中の二酸化炭素浓度に関する话ですから、アマゾンの大森林のような「规模」を念头に置くことが非常に重要です。この规模の陆上植物の植林は难しいので、代わりに微细藻类という光合成微生物を沙漠地帯に大规模培养し、大量の二酸化炭素を吸収してもらいながら同时に产业を兴します。

 まず、再生可能エネルギーを利用して海洋深层水を沙漠に汲み上げ、深层水の冷热と地热(低温地热で翱碍)の温度差を使い、浓い海水と淡水に分けます。温度差を利用することで発电も可能です。现在、中东などで行われている温度差淡水化事业では、浓い海水は捨てられていますが、バイオマス?ショア构想では、浓い海水を使って沙漠海岸地帯に大规模水田を造成し、デュナリエラという浓い海水を好む微细藻类を培养します。海洋深层水には窒素、リンなどが表层海水の数十倍含まれるので、藻类培养の肥料の助けになります。
 
顕微鏡で観察したデュナリエラ

顕微镜で観察したデュナリエラ。もう少しスリムなときもあります。ヒゲで水を掻くようにして进みます。


 デュナリエラから抽出できる脂质は、食料用油脂や化学品の原料として利用します。この脂质は、今后原油価格が高腾するような事态になれば、化学的な処理を行うことでいつでも燃料油に変换できます。また、デュナリエラの作り出すタンパク质は饲料として良质であることがわかっていますので、これは后述の水产ユニットに供给します。さらに、デュナリエラはグリセリンという形で大量の炭水化物を生产しますので、これを発酵の原料として使うことができます。発酵は、今や工业用途の酵素生产など、とても大きな产业に発展しています。そのため、原料となる炭水化物が不足してきており、デュナリエラが生产する大量のグリセリンは沙漠に発酵产业を集积させるのに十分な魅力があります。続いて、発酵产业の残渣として窒素やリンを回収します。これはもとのデュナリエラ培养に追肥することができます。

 ここまでのグランドデザインを振り返りますと、陆上植物生产に必要な「太阳光」「淡水」「肥料」がそろっています。すなわち、沙漠海岸付近に大规模な植物生产ユニットを设置する経済的优位性が生じたのです。さらに、海洋深层水の特徴をすべて活かし、多段生产による水产物生产ユニットの设置も予定しています。水产物生产ユニットから出る排水中のアンモニアは大型海藻に窒素源として利用させ、大型海藻からはマンニトールを抽出し発酵ユニットに送ります。発酵により生产された水素は、エネルギーユニットへ。

 このように、未利用资源である沙漠、深层水、微细藻类、地热などを利用し、「微细藻类生产」「植物生产」「発酵生产」「水产物生产」「エネルギー生产」等各ユニットが有机的に结合したバイオマス?コンビナートを形成させます。これは、持続可能社会の一つのモデルであり、実行されれば「二酸化炭素を削减しながら产业活动を行う社会」が达成されます。
 
「バイオマス?ショア」構想
沙漠临海部は再生可能エネルギーの宝库。
石油コンビナートに替わる「バイオマス?コンビナート」を造り、持続可能社会に挑戦します。
 

※本记事は広报誌「淡青」34号の记事から抜粋して掲载しています。笔顿贵版はをご覧ください。

 


オーストラリア西海岸の沙漠地帯にて。ピンクに见えるのはデュナリエラの湖です。
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